ミノルタ AF ZOOM 35-70mm F4 レビュー 性能チェック編

さて、今回は以前分解清掃したそして今回はミノルタのAF ZOOM 35-70mm F4の性能についてレビューしていきます。

まぁ古いレンズなのでいつもよりはざっくりと各種性能をチェックしていこうと思います。

ちなみに私は光学の知識もなく技術者でもなんでもない人ですので、以前に分解したことによってレンズの本来の性能を落としてしまっている可能性があることはご留意ください。

テストに使う機材はα7RIVLA-EA5です。

このレンズは中古で程度にもよりますが2,000円くらいから購入できそうです。

私はハードオフでジャンク品を500円程で購入しました。

レンズ仕様

名称

AF ZOOM 35-70mm F4
レンズマウントミノルタ ソニー Aマウント
対応撮像画面サイズ35mmフルサイズ

焦点距離

35-70mm

APS-C 焦点距離イメージ

52.5-105mm
レンズ構成6群6枚
開放絞りF4
最小絞りF22
絞り羽根枚数7枚
最短撮影距離1m, マクロ切替時32cm

最大撮影倍率

0.07倍, マクロ切替時0.25倍

フィルター径

49mm

フード

丸形スナップ式

外形寸法

Φ68×52mm

質量

約255g

レンズ仕様はこんな感じです。

仕様を見るだけでも現代のレンズと比較すると気になるところが結構ありますね。
なにぶん古いレンズですのでズーム比は2倍しかありませんし、広角は35mmからとなっています。

開放F値がF4固定なのは良いですけどね。

絞り羽根は7枚で円形では無いので絞り込むと玉ボケが角ばります。

また最短撮影距離もかなり長くどの焦点距離においても最短撮影距離は仕様上は1mとなっていて、当然最大撮影倍率も小さいです。

後で最短撮影距離での作例も出しますが全く寄れません。

その代わりマクロ切替機能が付いていて、マクロ切替スイッチを上げながらズームリングを70mmからマクロの方へ回すとMF限定となりますがマクロモードに切り替えることができます。

そうすると最短撮影距離は32mm、最大撮影倍率は0.25倍まで寄れるようになります。
ですが無限遠に合焦しなくなり近接撮影しかできなくなります。

発売当時はフードやケース、レンズキャップが付属していたのだと思いますが、中古品特にジャンク品だとその様な付属品は付いていることは稀です。

外観と操作性

外観はこんな感じです。

レンズ単体はとてもコンパクトで、LA-EA5を介してα7RIVに装着してもコンパクトかつ軽量です。

LA-EA5とレンズ合わせても350g程度です。

焦点距離35mmの時にレンズが伸びて70mmの時が一番短いです。

青い文字でMACROと書かれたスイッチを上げながら70mmの先へズームリングを回すことでマクロモードに切り替えられます。

レンズ先端のローレットの入った細い部分がフォーカスリングです。

細いうえに軽く回るのでMFはやりにくいです。

世界で初めて実用的なAFを実現したカメラシステムであったのでMFの操作性は蔑ろにされている感はありますね。

あと最近のレンズにはあまり無いフォーカスの距離目盛や指標があるのは良いですね。

デザイン的にも実用的にもあった方がいいと私は思います。

フォーカス性能

トラッキング

Minolta AF ZOOM 35-70 F4のAFトラッキングの具合を見てみる

AFトラッキングした時はこんな感じになります。

これが実際に撮れた写真にフォーカスポイントを表示したものです。

α7infoというソフトでポイントを表示させた状態でスクリーンショットを撮ったものです。

ポイントを表示させて現像出来ると良いのですが、どうも出来ないみたいです。

一応初めの内は追従しているようです。

で、実際に撮れた写真がこちらです。

大きなサイズで見たい場合はこちらです。

ポイントを見ると追従はしている様子でしたが、実際見てみると撮り始めから追従が外れるまでもフォーカスが動いている様子はないですね。

最短撮影距離

50mmを撮り忘れてしまった上にマクロの撮影風景はピントが合ってませんでしたね。すみません。

仕様の時点で分かっていたことですが、全然寄れないです。

ブリージング

Minolta AF ZOOM 35-70 F4のブリージングの具合を見てみる

ブリージングはこんな具合になっています。

LA-EA5は動画撮影時オートフォーカス出来なくなります。

敢えてこのレンズを使って動画を撮影しようという人も居ないでしょうね。

解像性能

いつものチャートでチェックしました。

グラフは画面中央の数値です。

最大撮影倍率が低いために、チャート自体が写真中央にしか映らないので、計測したのも中央のみです。

チャートを画面端に写したものも計測してみましたが、解像力不足で数値化できませんでした。

意外と中央は良く解像していて、35mmの開放は大分甘いですがF8まで絞るとかなりよく映るようになります。

特に50mm、70mmはチャートの最大値を超えています。

遠景を比較するとこんな感じです。

チャートの結果とは打って変わってどの焦点距離でもF4はモヤっとしている気がします。

特に70mmはそれが顕著に感じます。

F4の場合、チャートでは結果の悪かった35mmが一番解像している気がします。

元の画像はこちらから確認できます。

ボケ

カメラ雑誌CAPAの解像度&ボケ味チェックシートを使ってボケのチェックをしてみました。

このチェックシートは数年おきに定期的に付録としてCAPAに付いてくるそうですが、私はヤフオクで購入してみました。

全て絞り開放ですが、F4なのでそこまでボケは大きくないです。

撮影距離も相まって被写界深度もそれなりにあるのでよくわからないですが、前側のボケは二線傾向にあるのですかね。

軸上色収差と玉ボケ

濡れた路面を撮ってみました。大きく見たい場合はこちら

こういう物を撮ると必然的にこれくらいは色付くとは思いますが、思ったよりは目立たない気もします。

ついでに玉ボケですがどうやらこのレンズは非球面レンズが使われているらしく結構汚く感じます。

絞り開放でも玉ボケが角ばっているのは私が分解して絞りを弄ったせいかもしれません。

倍率色収差

倍率色収差もこんな感じで出てますね。

F8まで絞ってあります。

古いレンズですのでLightroomなどでのレンズプロファイルもなく、補正する場合は手動になってしまいます。

まぁ実写で気になるかどうかはまた別問題ですけどね。

歪曲収差

フローリングを撮影して分かりやすく赤い直線を引いてみましたが、35mmはかなり樽型に歪曲していますね。

50mmでも少し樽型で、70mmは気にならないレベルになります。

古いレンズですのでLightroomなどのレンズプロファイルもなく、補正する場合は手動になってしまうので35mmのように歪曲収差が大きいとちょっと厄介かもしれないです。

コマ収差

濡れた路面を撮った時の画面の端の方です。

当然のように点にならず広がっていますが、等倍にでもしない限りそれ程気にはならないかもしれません。

周辺減光

周辺減光はこんな感じで、35mmはかなり暗くなっています。

50mmで少し明るくなり、70mmではまた少し暗くなっている印象です。

マクロモード時の周辺減光もテストしてみましたが70mmの時とほぼ同じですね。

総評とサンプル

ここまでミノルタのAF ZOOM 35-70mm F4のレンズ性能を色々テストしてきましたがいかがでしたでしょうか。

古いレンズですので最新のレンズには及ばない所も多くありましたね。

個人的に特にネックなのは広角側が35mmまでしかないというところでしょうか。

使っていてもう少し広く撮りたいって場面がよくあったように思います。

あと最短撮影距離が1mなのも辛い所ですね。

それ以外開放では解像感が低く感じることが多く、F8まで絞って撮影することが多くありました。

開放のよく言えばソフトな写りもそれはそれで私は好みではありませんがレンズの味みたいなものだと思いますので一概に劣っているとは言えない気がします。

今回ゴーストやフレアについてはテストしていませんが、元々ジャンク品を購入したこともあって全てフード無しで撮影してあります。

そのせいもあってゴーストは頻出する印象です。

以上AF ZOOM 35-70mm F4のレビューでした。

最後にこのレンズでとったサンプルです。

毎度のことながら大きな画像はこちらから

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