2021年5月28日にソニーから発売されたSEL14F18GMを購入しましたので、詳しくレビューしたいと思います。
外観と星空は既にご紹介しましたが、今回はそちらも含め諸収差など様々な観点から、作例を交えて詳しくご紹介します。
レンズ概要
まずはレンズの主な仕様です。
レンズ仕様 | |
名称 | FE 14mm F1.8 GM |
型名 | SEL14F18 |
焦点距離 | 14mm |
レンズ構成 | 11群14枚 |
画角 | 114° |
開放絞り | 1.8 |
最小絞り | 16 |
絞り羽根 | 9枚 |
円形絞り | 〇 |
最短撮影距離 | 0.25m |
最大撮影倍率 | 0.1倍 |
フードタイプ | 花形固定式 |
外形寸法 最大径×長さ | 83mm × 99.8mm |
質量 | 約460g |
付属品 | |
レンズフロントキャップ | |
レンズリヤキャップ(ALC-R1EM) | |
ソフトケース | |
フィルターテンプレート |
更に詳しくは公式サイトをご覧ください。
レンズ外観
レンズ外観はこんな感じ。
鏡筒は金属製ではありませんが、シボ加工というのか梨地加工というのか分かりませんが、α7R IVと同じ特殊な表面処理もされており統一感と高級感があります。
レンズフードは一体型で、レンズキャップはフードの上から被せる構造です。
私は外したレンズキャップはポケットに入れておくことが多いので、デカくて嵩張ります。
超広角なレンズにありがちなことですが、円形フィルターは装着できません。
装着できない代わりに、レンズマウント側にシート状のフィルターを装着できるホルダーがあります。
フィルターの装着にはひと手間必要ですが、ホルダーが無い物より装着しやすいですし、安心感がありますね。
鏡筒側面には、フォーカスリングと絞りリングがあり、カメラに装着時には左側にGMレンズのバッジ、フォーカスホールドボタン、AFMF切り替えスイッチ。
右側に絞りリングのクリック切り替えスイッチが付いています。
付属品として、専用のソフトケースとシートフィルターをカットするためのテンプレートがあります。
サイズ感は片手に少し余る程度で、レンズ仕様にもある通り、約460gはすごく軽いです。
14mmF1.8のレンズとしては驚異的ではないでしょうか。
AF・MF動作とブリージング
AFの速度は必要十分で音も静かです。
フォーカスブリージングはこんな感じ。
絞りF16でカメラは三脚に乗せて、フォーカスを最短と無限にして撮影しています。
左の木の頭を見てもらうと分かりますが、そこそこブリージングはあるようですね。
動画を取る際は気になるかもしれませんし、ならないかもしれませんね。
そこはまぁ、広角レンズですので。
最大撮影倍率
どこのご家庭にでもあるスコヤを最短撮影距離で撮るとこんな感じ。
床が汚いのはすみません。
最大撮影倍率は0.1倍なので、寄りに寄ってもこんなもんです。
当然F16まで絞れば、被写界深度によってもう少し寄れます。
撮影倍率はそこまで高くないですが、最短撮影距離はそれなりに近く保護フィルターなども付けられないのでぶつけたりしない様に気を使いますね。
解像性能
近距離チャートテスト
近距離で解像チャートを撮ったものがこちら。
ちゃんとした解像チャートを持っていないので、とあるyoutuberさんが公開しているチャートを使っています。
更にうまいこと解像度を数値化することが出来なかったので、見た目で判断するか、こちらから画像をダウンロードして何とかしてみてください。
個人的な見解は、中央は解放から十分に解像していて、F8までは少しずつ良くなる感じ。
右端と右上隅は中央ほどは解像していませんが、こちらもF8までは少しずつ良くなる感じ。
全体通してF11以降は回折の影響で少しぼやけます。
遠距離解像テスト
無限遠での解像度はこんな感じ。
個人的な見解は、近距離と比べると、中央は解放だと若干解像感が低い気がします。
右下隅と中間は近距離と同じく中央ほど解像しません。
全体的に近距離と違いF5.6までは少しずつ良くなる感じですが、F8から回折の影響があるように見えます。
補足: 近距離・遠距離ともにLightroomでシャープを0に設定してjpgに現像しています。
ボケ
前ボケ・後ボケ
フォーカス位置から前のボケと後ろのボケの違いはこんな感じ。
それほど大きな違いは無いかなといった印象です。
玉ボケ
フォーカス位置より前の玉ボケと後ろの玉ボケはこんな感じ。
前の玉ボケは撮り方の問題か、よくわからない感じになってますが、後ろの玉ボケを見るとF2までは口径食でいくらか尖がってますね。
ピクセル等倍で見ると、玉ボケの中に薄っすらと年輪の様な線が、有るような無いようなって程度にはありますね。
特に外周付近に強めの線が見えます。
非球面レンズも使われているので、多かれ少なかれ有るでしょう。
私はそんなに気になりません。
絞り羽根は9枚なので、絞ると18本の光芒が出ます。
ポートレートでのボケ
不審者のポートレートを撮るとこんな感じ。
超広角でポートレートって、そんなに撮らないかもしれないですけど、顔のアップで絞り開放ならそこそこボケますね。
どうしても端の方だと歪んじゃうんで、綺麗に写るならド真ん中で写らざるを得ないですけど、色んなものが写るんでこれはこれで楽しいですし、歪みをいかしたポートレートが撮れたらもっと楽しいでしょうね。
各種収差
歪曲収差
歪曲収差はこんな感じ。
未補正だと結構な樽型をしています。
が、補正すれば綺麗に治るので何ら問題は無いですね。
未補正は歪曲収差以外の周辺減光・倍率色収差の補正もオフにしてしまっているので、周辺が暗くなっています。
軸上色収差
軸上色収差はこんな感じ。
ピクセル等倍で見ると、F2.8とかF4辺りまでは、奥が緑、手前が紫に色付いて見えるので収差は少しはあるようですね。
テスト画像を全体で見るとそれほどは気にならないですが、収差は少なからずありますので、通常の撮影時にどれだけ目立ってくるかが問題ですね。
ピクセル等倍でご覧になりたい場合はこちらからどうぞ。
倍率色収差
倍率色収差はこんな感じ。
未補正だとたての線を見ると分かりやすいと思いますが、右が緑、左が紫に色付いています。
とはいえレンズ補正で綺麗になくなるので問題はないでしょう。
コマ収差
コマ収差はこんな感じ。
星空の各周辺と真ん中を等倍で切り出しました。
綺麗に点で写っていますので、星を撮影するのにうってつけレンズと言えるのではないでしょうか。
周辺減光
F1.8の未補正と補正後を比べるとこんな感じ。
ある程度は仕方ないのかもしれないですが、こうしてみるとかなり周辺は暗いですね。
補正後ですら少し暗いです。
未補正でF値ごとに見比べるとこんな感じ、小さい画像じゃ分かりずらいですが、F2まではかなり真っ暗で、F2.8で幾らか改善されますが、そっからはいくら絞ってもそれほど変わりはないように見えます。
補正すれば当然暗さは改善はされますが、これだけ暗いと補正時の劣化が心配ですね。
逆光耐性
ゴースト&フレア
ゴーストやフレアはこんな感じ。
同じように撮っているつもりでも、出る時もあれば出ない時もありますね。
超広角のレンズとしては、ゴーストはかなり出にくいのではないでしょうか。
フレアはそれなりにあるようで、時折一枚目のように直線状に強く出る場合があります。
まとめと作例
SEL14F18 GMのレンズ特性を徹底的に検証、レビューしたつもりですが、いかがでしょうか?
この焦点距離で、この開放F値でこのサイズ重量、そしてコマ収差も問題なく、レンズ補正込みですがこの性能は今のところ唯一無二ではないでしょうか?
星を綺麗に撮りたい方には絶対おすすめのレンズです。
最後に商品リンクと拙いですが作例を載せますので、よろしければご覧ください。
ちなみにくどいようですが、このブログの写真は全てSmugMugというサイトにアップロードしています。
そちらではピクセル等倍の大きな画像も見られますので、そちらも合わせてご覧いただくと幸いです。
作例は随時増やす予定です
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