今回はミノルタのAF ZOOM xi 100-300mm F4.5-5.6を分解してみます。
このレンズはミノルタがAFに続き、色んなカメラ機能の自動化を推し進めていた時代のレンズで、これらのモデルにはカメラ・レンズともにxiの名前が入ります。
然るべきカメラに然るべきレンズを取り付けファインダーを覗きカメラを構えると自動で電動ズームが動作し最適な画角に合わされ、フォーカスが合わされて後はシャッターを押すだけとなる何ともお節介な機能だったので消費者に受けず失敗に終わったようです。
そんなわけでこのレンズはズームが電動でマニュアルフォーカスも電動となっています。
購入動機
このレンズをLA-EA5を介してα7RIVに装着したらどうなるのか気になってジャンク箱から1,000円ほどで購入してきました。
一応購入前にメーカーの互換情報を確認して使えないことは確認済みだったのですが、使えないといってもどの程度使えないのか、電動ズーム電動フォーカスが使えないだけでレンズは認識して絞り動作などは使えるのか、それとも全く使えないのか詳しくは書いていなかったので好奇心で購入してみた感じです。
購入前の私の予想としては電動ズーム電動フォーカスは使えないにしても、レンズとしては認識して絞りくらいは動作してくれるんじゃないかと思っていました。
アマゾンなどで中古が売っていますが、そこそこ値が張りますね。
互換性の結果
カメラに装着した結果、予想に反してレンズとしても認識せず、電動機構はおろか絞りも動かず全く使えない代物でした。
ソニーがコニカミノルタから事業を引き継いで最初のカメラであるα100に装着すると問題なく使えるので動作不良はありません。
そんなわけでこのレンズはほぼ使い物にならないため、実験のための生贄になってもらうことにしました。
実験とは
バラバラに分解して組み立てなおしたときに元と同じ性能を出せるのかテストしてみることにします。
光学製品って精密機器だと思うので、素人が分解してしまったら元通り組み立てしたつもりでも性能までは元通りにはならないのではないかと思います。
そんな疑問があったので今回このレンズを使って検証したいと思います。
分解の様子
分解と動作確認の様子を動画にしたのでご覧ください。
結局まともに分解できたのは前玉の2群ぐらいだけでした。
後ろ側は外せるネジは外して頑張ってみましたがレンズ自体をどうにかすることはできませんでした。
ちなみに動画では言及しませんでしたが、レンズとレンズの間を埋める金属の筒のようなものが内部にあるのですが、これが変にズレてしまいバラバラに分解することもできないし元に戻すのに難儀しました。
金属の筒のようなものは内部から爪が伸びて上の画像の赤丸の部分とモーターの近くの三か所に引っかかっていましたが、これが外れて内部でズレて変に引っかかってズーム動作がまともに出来ないようになってしまいましたが、何とか復旧することはできました。
あとなぜだかわかりませんがネジが1個余りました。
分解後テスト
結局まともにバラせたのは前玉だけで、そのほかの部分は全然バラすことはできませんでした。
その上電動ズームはしますが電動でのマニュアルフォーカスが出来なくなってしまいました。
思うに下の写真の赤丸の部分が特にネジ固定でもなく接点同士が合わさっているだけなのでうまく接触できていないだけのような気もしています。
が、今後使うつもりもなく面倒なのでとりあえずこのままです。
テスト画像
いつものテストチャートを300㎜の絞りは解放で撮影して中央と隅を切り出してみましたが、あからさまな違いは無いように思います。
強いて言うならアフターの方が若干解像度が落ちているような気がしないでもないです。特に右上の部分。
とはいえ全くの同条件で撮影できている訳ではないので誤差なのかもしれないですね。
ちなみにHYResIVで数値化しようとしてみましたが、そもそもの解像度が低いためかうまく数値化できませんでした。
今回のテストとは関係ないですがそもそもこのレンズ300㎜の解像度は中心でもそんなに高くないですね。それに加えて結構糸巻き型に歪曲してますし、倍率色収差もかなり出ています。
まとめ
今回はミノルタのAF ZOOM xi 100-300mm F4.5-5.6を分解してその前後で解像性能がどうなるかテストしてみましたが、分解は結局前玉しか分解できず、マニュアルフォーカスをできなくしてしまいました。
そのせいかわかりませんが、解像性能は特に変わらないという結果になりました。
LA-EA5と互換性もないので、いつものように各種性能についてテストするつもりはないですが、解像性能も低そうですしジャンクでもわざわざ買うほどのレンズではないのではないかと私は思います。Aマウントカメラで使用するにしてももっと他に良いレンズがあると思います。
今回は中途半端な結果になってしまったので、また他のレンズを使って分解前後でどうなるかテストしていきたいと思います。
最後になりますが、今回の投稿や動画を参考にレンズを分解する場合はくれぐれも自己責任でお願いします。
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